TechOnでコラム連載を始めました

8月 01 2013

先日より、日経BP社が運営しているネット技術ニュースサイト、TechOnにて次世代自動車技術に関するコラムの連載を始めました。「次世代自動車の本命は、電気自動車だ、いや水素燃料電池自動車だ、ハイブリッドはリリーフだ」等といった現実のマーケットから乖離したユーザー不在の表層の議論ではなく、マーケットや社会ニーズをしっかりと見据える商品技術に裏打ちされた次世代自動車技術について、このブログとは少し切り口を変えて取り上げていきたいと思っています。(TechOnは会員制のサービスですが、会員登録は無料なので興味を持たれた方は登録してお読み下さい。)

私はトヨタでハイブリッド開発に従事し、初代プリウス、2代目プリウス、さらにエスティマ、ハリアー・ハイブリッドとハイブリッド進化に取り組み、3代目プリウスの企画とプラグインハイブリッドの開発スタートを見送ってトヨタを離れました。その間いつもハイブリッドは、時には「水素燃料電池車までのリリーフ」、時には「電気自動車までのリリーフと言われ続け」それは現役最後の日まで、そして今も続いています。

もちろんこれからのことは誰にも解りません。間違いないのは、低燃費・クリーンで低CO2なクルマへの変革を出来る限り進めなければればならないという厳然たる事実です。それを安全、安心、そしてリーズナブルな価格で提供することがクルマ屋の責務で、さらにお客様に+αの、できればサプライズを感じてもらえる商品機能で競争しあうことがその変革を加速させる原動力を信じています。

今後もそうした中で、ハイブリッドはいつまでもリリーフと言い続けられるでしょう。しかし、初代プリウスを出してから早15年、当時に言われてショートリリーフの座には甘んじませんでした。今も初代プリウスの初期型は走っているのを見かけると嬉しくなります。まだまだ未熟なハイブリッド車を買っていただき、それを愛用していただいたこのようなお客様にここまでハイブリッドは育てていただいたと心底感謝しています。

さらにその初代から安心・安全でそれまで迄にない燃費の良いクルマへ、知恵と汗で取り組んでいただいた開発と生産、そして未知の分野のクルマを受け入れてサポートした販売・サービス、根本を支えて頂いた材料。部品メーカーの方々、さらにその材料・部品開発と調達に飛び回って頂いた商社の方々まで、ハイブリッドは日本のもの作りの基盤に支えられて進化を遂げることができました。

技術が主役の次世代車競争時代へ

TechOnコラムで述べましたが、これまでライバルがいなかったトヨタハイブリッド(THS)にアコード・ハイブリッド、フィット・新ハイブリッドと強力なライバルが現れたようです。競争こそ、進化、進歩の源泉、さらにコンベ勢も猛烈な勢いで追い上げてきています。

現在、自動車の電動化では日本が一歩先んじている状況です。日本勢のハイブリッド車が競いあうことにより、そのリードをさらに広げることができます。今のハイブリッドは内燃エンジンと電気モーターのハイブリッドです。まだ内燃エンジンも進化の余地はあり、電気駆動系も電池含めてこれからです。

この内燃エンジン*電気モーターハイブリッドのさらなる進化は、将来の電気自動車、水素燃料電池自動車実用化への高いハードルとなることでしょう。しかしこの高いハードルを乗り越えずして、電気自動車、水素化電池自動車の時代は来ません、またこのハードルを下げるようなことは技術進歩やユーザー本位といった面においても決して良いことではありません。これが技術チャレンジの世界であり、どちらもハードルを人為的に下げるような補助金などには甘えず、実用技術、商品技術としての競争で、日本自動車産業の底力を世界に示し、この次世代自動車競走をリードしてもらいたいと願っています。

私もこのブログ今回のTechOnの連載なども通じながら、応援団長を続けていくつもりです。