Next Generation Mobility

1月 05 2012

明けましておめでとうございます。2012年が平穏に、そのうえ被災地の復興と日本の飛躍の年になることをお祈りいたします。

今年最初のブログのタイトルとして“Next Generation Mobility”を取り上げてみました。

私が主宰している株式会社コーディアの活動として、昨年から自動車関連のエネルギー、環境動向お伝えし、将来自動車、およびそのビジネス動向研究の場として、この趣旨をご理解いただき、ご支援頂ける方々を対象とした、会員情報サービスとコンサルタント活動をスタートさせています。

その会員誌のタイトルが“Next Generation Mobility Technology & Business Report”としました。活動スタート前の2月に00号を発行し、昨年12月末に発行した10号まで、月1回会員の皆様にお届けしてきました。また、11月には、会員および会員のかたのご紹介者を対象に、名古屋を会場に“Next Generation Mobility Seminar”として、次世代モビリティ講演会を開催させていただきました。

この”Next Generation Mobility”との名称については、なにを対象分野とする活動かわかりにくいとのご意見もいただきましたが、私としては、エネルギー資源問題と環境問題へと従来自動車の大変革が迫られる中で、人間と自由な移動体(Mobility)として発展を遂げた自動車の次ぎ、従来自動車の延長でもまた単なるエコカーでもない、Next Generation Mobility出現の後押しをしたいとの想いから、このタイトルを使うことにしました。

昨年のNext Generation Mobilityを取り巻く環境

昨年は、国内外とエネルギー、地球環境問題とそれに大きく関わる“Next Generation Mobility”を巡り激動の一年でした。また、この激動は収まることなく、こらからも拡大していく予感すらします。日本では東日本大震災とこれによる福島第1原発事故により、深刻な放射能汚染問題を引き起こしてしまいました。

また、大震災による精油所の被災、物流ラインの被害による自動車燃料供給ショート、電力不足による計画停電騒ぎ、夏の節電、休日シフトなど、現代社会が安定かつ膨大なエネルギー供給によって成り立っていることを痛感させられました。日本の外に目を転じれば、昨年1月のチュニジア政変を皮切りにエジプト、リビア、イエメンなど、北アフリカ、中近東諸国の政情不安、年後半にはイラン原爆開発による禁輸問題など主要産油国の政治不安によって、原油供給不足を懸念し、不況下にも関わらず、原油価格が乱高下する一年でした。

地球温暖化問題では、12月に南ア・ダーバンで開催されたCOP17において、やっと温室効果ガスの国際的な削減への取り組みに付いて合意が成立しました。具体的な目標、その日程、実施方策がまだまだ未定で玉虫色の内容ですが、これまでの国際協定である京都議定書に加わっていない、世界最大のCO2排出国である中国、ナンバー2のアメリカ、ナンバー4のインドが加わり、さらにはCO2排出量が急増している新興国を含め世界全体としての温室効果ガス削減を目指す新しい枠組み作りの合意は一歩前進です。

この現代社会生活を支え、またそれがもとで地球規模での気候変動、地球温暖化の原因とされているのが、世界の1次エネルギー全体の87%を占める化石燃料です。さらに、この1次エネルギーシェアのトップ38%シェアを占める石油を燃料として使っているのが自動車を含む輸送機関です。1次エネルギー全体としては、約20%を消費しています。

一次エネルギー消費割合

エネルギー資源問題への対応が先か、気候変動、地球温暖化問題への対応が先かは別として、人間の活動が地球のキャパを越え、このまま化石燃料を使い続けることはできそうもありません。自動車も同様、まず低燃費、さらにポスト石油への適応をはかるNext Generation Mobilityへと進化を果たすことが待ったなしです。

エコ性能は当たり前の世の中へ

昨年来、トヨタのコマーシャルに“Fun to Drive Again”とのフレーズが流れ、昨年12月の東京モーターショーでも、エコとともに”Fun to Drive”なクルマが打ち出されていたように感じました。低燃費、クリーン、エコ性能の高さは当たり前、その上で、移動の自由、自由な旅の手段であり、“Fun to Drive”を体感できるMobilityが、私のイメージするNext Generation Mobilityです。欲を言えば、それを若者世代にも手の届く価格で提供することができれば、また世界のNextモータリゼーションを日本勢がリードできることは確かです。

2009年のホンダ・インサイト、引き続く3代目プリウスの発売で、日本ではハイブリッドが普通の次世代エコカーとして大きく普及拡大を果たしました。しかし、世界的に見ると、景気の低迷もありますが、アメリカ、欧州ではハイブリッド車の販売台数は伸びず、頭打ち状態にあります。


http://www1.eere.energy.gov/vehiclesandfuels/facts/2011_fotw703.html

いまアメリカでは、昔のように大型ピックアップトラックや大型SUVの販売が復活してきています。電気自動車と称するGM VOLTプラグインハイブリッドも、また電気自動車全体の販売状況は決して好調ではありません。これは、またこうしたエコカーの基本性能、商品魅力、そして価格がまだまだ普及をブレークさせる段階にきていないことが原因と思います。

その中で、今年こそ、日本だけはなく世界でのハイブリッド車ブレークに期待しています。
公式発表は有りませんでしたが、昨年末でトヨタハイブリッドの世界累計販売台数は350万台の大台に届いている筈です。今年は、トヨタアクアを皮切りにトヨタのハイブリッドラインアップがさらに拡大され、またプリウスPHVも登場します。

他のメーカーに目を転じても、昨年の東京モーターショーの部品館にはJATCOから次ぎの日産FF車用の機械式CVT変速機を使った2クラッチ1モータタイプのハイブリッドトランスミッションが展示されていましたし、またホイールインモータなどさまざまなハイブリッド駆動系の提案がありました。ホンダも年末に、シリーズハイブリッドベースにクラッチ直結モード切り替えの2モータ新型ハイブリッドの発表がありました。また欧州勢も続々と本格ハイブリッドを導入してきます。競争があって、競い合ってこと技術が進化します。クルマの基本性能、その上での“Fun to Drive”に拘った欧州勢とのハイブリッド技術競争も楽しみです。

いずれにしても、上の図に示したように世界の1次エネルギー需給シェアに大きなパラダイムシフトが起こります。自動車もそのパラダイムシフトの主役中の主役、単にその燃料がポスト石油としてバイオ燃料、電池、水素に替わるだけではなく、その製造から販売、整備、また燃料供給網、カーシェア、リース、公共交通機関へのモダルシフトとその形態が大きくかわっていくように思います。今年も、そのパラダイムチェンジのゆくえとしてNext Generation Mobilityに注目し、このブログでもシニアエンジニアの回顧録とともに、そのトピックスをお伝えしていきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。