パリより

11月 24 2011

今パリに来ています。今年も暖冬の様子、街をあるいてみてもいつもならほとんどの人が厚手の防寒コートを着込んでいるのが普通の時期ですが、コートなしで歩いている人も目につきました。街にはクリスマス用のイルミネーションが点灯し始める時期、パリの街が一段と華やかに感じられる季節を迎えています。

この20年ぐらい、年に何度か欧州に出張しており、この時期にも何度もパリに来ていますが、20年前にくらべるとだんだん暖かくなってきている印象です。成田を飛び立ち、群馬、栃木、新潟の上空をとび日本海を抜け、シベリア上空を飛んで欧州に入りますが、上信越の2000mを超える山の雪も心なしか少なく、またシベリアの雪も少ない印象を受けました。これを地球温暖化をと結びつけるのは早とちりのそしりを免れませんが、温暖化が本当に人為的な原因かどうかはわかりませんが、欧州への飛行機から見るこの時期の冬景色が変わってきているのは確かに感じます。

現場で実地に欧州の実情を見て聞いてきます。

今回のパリでは、フランス電力公社の人たちとこれからの電気自動車、プラグインハイブリッド自動車の展望、充電インフラ整備の方針など電池充電式プラグイン自動車の普及について意見交換するのが目的ですが、時間をみつけて今年10月上旬からパリ市内で開始した、電気自動車のカーシェアプロジェクト、オートリブの拠点を何ヶ所か見てくるつもりです。当初はパリ市内にある33カ所の貸し出しステーションで66台のEV車でスタートし、本年12月には、250ステーション、250台に増やす予定でその後はパリ市に隣接するイル・ド・フランス圏にも拡大し、来年夏には1100ステーション、2,000台、最終的には6,600ステーション、3,000台を目指すとのことです。先月も立ち上がり直後の様子を見てきましたが、

今後もこのプロジェクトの動きはしっかりと見ていきたいと思っています。これまでも何度もトライをし、その都度マーケット展望が拓けず、実用化には至らなかったプラグイン自動車が3度目か4度目の正直、実用化に向かって浮上していくか、このような都市部でのカーシェアプロジェクトがプラグン自動車普及を後押しする新しい都市交通システムとして位置づけられるか試金石になるように思います。

しかし、規模に大きな違いがありますが、1990年代末から2000年初めにかけてのトヨタe-Com, 日産ハイパーミニといったコミュータEVによる、カーシェアやレンターカープロジェクトが、事業採算性の展望が全く拓けず、いずれも中止に追い込まれた状況にそれほど大きな変化があるとは思えず、あまり楽観的にみてもいけないように感じます。このパリAutolibの状況はこれからもご報告していきたと思っています。

欧州でも二代目プリウス発売から、よくプリウスが走っているのを見かけるようになり、特にパリなど都市部でタクシーにプリウスが使われるようになり、今では二代目、三台目プリウスのタクシーが走っているのを多く見かけるようになってきています。スウェーデンのストックホルムでは2009年度のタクシー登録でプリウスがトップシェアを獲得したと聞いたこともあり、欧州ではエコカーを積極的にタクシーに使っていこうとの動きがあるようで、プラグイン自動車のタクシー利用も増えてくるのではと期待しています。しかし、パリだけではなく、欧州の都市部では路上駐車があたりまえ、決まった駐車スペースがあり、充電コンセントが設置できるユーザーはほんの一握り、パリでプラグインプリウスを試乗用に貸しても充電ができずに、通常のプリウスとして使われてしまうケースが多いと聞いています。集合住宅やオフィスの駐車場でも、コンセントがあったとしても、それを勝手に充電に使うと他の利用者から苦情がでるそうで、急速充電設置だけではなく、個人用、会社用低電圧の通常充電設備もスマートメータを設置してプラグン自動車用として充電した電力料金がしっかりそのクルマの負担になるようにするなど、充電システムとしてもやるべきことは一杯残っているとの印象です。

今回はドイツにも足を延ばします

また、今回の出張では、週末にドイツのデュッセルドルフに移動し、ドイツのE-mobility関係者や、このE-mobilityプロジェクトの目玉としてドイツ政府が後押ししているリチウムイオン電池の研究者、材料メーカーとの意見効果も行ってくる予定ですので、また欧州プラグイン自動車事情を折に触れて取り上げていくつもりです。温暖化緩和の即効薬としてはまだまだ力不足ですが、ハイブリッドの拡大、プラグインハイブリッドの普及、そのための電池の進化、充電システムの進化をさらに加速させることが大切と痛感します。

いつものことながら、日本から到着した夜は時差ぼけですぐ目をさましてしまいます。今夜も午前2時過ぎには目を覚ましてしまい、もう眠り直す気分にもならず、ホテルの窓からパリの夜景を眺めながらこのブログを書いています。