自動車と通信(または自動車でネット)

前回、父がストラスブールでのi-phoneアプリについて少し紹介しましたので、今回は私、八重樫尚史が自動車と情報通信の展望についてちょっと触れてみたいと思います。

さてさて、皆さんは自動車と通信というと、何を想像されるでしょうか?割引効果で一気に普及したETCでしょうか?また、ナビゲーションシステム(カーナビ)も通信機能を持つのが当然となっていますし、衝突防止のための相互通信システムの研究などのニュースを目にされた方もいらっしゃるかもしれません。ラジオやテレビ、GPSだって双方向ではありませんが立派な通信ですね。あと、このブログをご覧いただいてるかたは、自動車駆動系での電子制御についての話を想像されるかもしれません、残念ながら僕は父とは違って自動車の専門家ではないので、その辺のお話はできませんが。

能書きが長くなりました、今回取り上げる情報通信はもう少し汎用的な話で、クルマと情報ネットワークの話です。

最近の流行ことばは「スマート」?

さて、毎年年末にヒット商品番付が発表されますが、日経MJが発表するランキングでは東の横綱は2009年の「ハイブリッドカー」から2010年には「スマートフォン」に引き継がれました。夏に販売されたi-phone4やそのライバル陣営で年末にかけてさらに攻勢をかけてきたAndroidケータイのヒットを受けてのことのようです。

恥ずかしながら僕は(そして父も)、最新ガジェット(電子機器)好きなもので、二人ともしっかりと流行に流されてi-phoneもi-padも所持していたりします。

さて、自動車に話を戻すと、似たようなキーワードがこちらでも流行っていますね。プラグインの自動車とセットで出てくる「スマートグリッド」や「スマートメーター」です。これと「スマートフォン」をあわせてみると、ダイエットの話でも見てるかのような気分になりますが、こっちの「スマート」は「頭がいい」という意味で、具体的にはネットワーク機能や高度な演算機能を有するということになります。

この「スマート」の波は、少し前に流行った「ユビキタス社会」がようやく具体例として現れた現象のように個人的には考えています。

クルマで通信

クルマでネットワーク通信というと、いま最も主流なのはカーナビと携帯電話を接続して使用する場合だと思います。僕は2代目プリウスに乗っているのですが、ナビとi-phoneをBluetoothで接続して、ハンズフリーと、「一応」パケット通信ができるようには設定しています。なぜ「一応」と書いたかというと、実際には「G-Bookに接続しますか?」と聞かれると、もはや反射的に「いいえ」のボタンをおす習慣になっているからなのですが・・・(i-phoneはカーナビ定額割引対象外なので)

ナビでは外部通信機能を使用していないのですが、そのかわり僕はクルマから快適にネットする環境は整えています。どういうものかというと、UQコミュニケーションズのWimaxルータをクルマに常時乗っけていて、無線Lanに対応している機器からは携帯の3Gよりも高速なネットワーク回線を利用出来るようにしています。

車載Wimaxルーター

車載Wimaxルーター

もちろん安全のために、、カーオーディオ用としているi-pod touchやi-phoneを僕がいじるのは停車中だけで、あとは同乗者にIDを教えて使ってもらうなどの使用方法です。

ソフトバンクの回線があまり良くないのも相まって、結構重宝して使用しています。速度は初期のADSLレベルで、通常の使用では全く問題ない程度の速度が出ますしね。

回線速度テスト

回線速度テスト

ただし、情報機器好きの自分だからこそ好き好んでやっているレベルで、万人にこれが必要かというと現状では?でしょうけども。

ナビは常時接続するだろうけど・・・

いまモバイルの世界は、携帯電話で使用されている3G回線から、僕が利用しているWimaxやLTEなどの新たな規格の時代に入ろうとしています。(以前はWimaxやLTEは3.9Gと呼ばれていましたが、最近ではこれを4Gとして表記することが多くなっているようです。)これは、モバイルが音声を中心とした時代から、通信を中心とした時代に移っていることを意味します。電話回線が、光ファイバーなどを利用した通信回線となったように。

あくまで僕個人の予測ですが、次の世代ではクルマもこのような回線を利用して常時ネットワークに接続するようになるのではないでしょうか。一部のナビではすでに専用端末や3G回線を利用して常時接続を行っているものもありますが、次世代回線でこそネットワーク回線に繋がっている本当の強みを活かせることになるでしょうから。

また、アメリカなどではi-padなどのタブレット型デバイスをカーナビとして利用されるケースが増えているらしいのですが、これはもともと固定式のカーナビではなくPND(Portable Navigation Device=取り外し可能ナビ)が主流で、日本のように高機能のナビがさほど普及していないということも理由としてあると思います。PNDを含めた海外のナビと比べれば、表示地図の工夫、ナビゲーションを工夫なども含めて日本のカーナビは遥かに肌理細かく進んだものであることは間違ありません。

ですが、この流行が「直ぐに」日本に来るとは僕も思ってはいませんが、決して遠くない未来にはこの「黒船」は間違いなく来航するでしょう。どこかで聞いた話ですよね、そう「スマートフォン」と「ガラパゴス」ですよ。違う業界の話ではありますが、今度はうまくやって欲しいと思っていはいるのですが、どうなることでしょうか?