ストラスブールでのプラグイン・プリウス大規模実証実験の続報

1月 13 2011

2011年は次世代自動車が試される年となる

GM シボレー・ボルトプラグインハイブリッド(いろいろなところで電気自動車と紹介されていますが、電池充電型のハイブリッド電気自動車です)、またこれこそ電池エネルギーだけで走るバッテリー電気自動車(BEV)の日米で大々的な発売イベントが行われ、次世代自動車のいよいよお客様の手元での走行が始まったようです。

いよいよ今年は、充電電力をクルマの走行エネルギーに使う、充電式自動車の実力と将来性が試される重要な年になりそうです。この意味では、商品としての発売にこぎ着けた、GMや日産の開発スタッフに敬意を表したいと思います。やはり、マーケット商品として、一般のお客様に買っていただき、使っていただき、ご満足戴けて、その上で収益を上げられるようになって初めて普及拡大が図れます。

このページを御覧頂いてる方はすでにご存知かとは思いますが、プラグイン・プリウスも、大規模実証フェーズとはいえ、日米欧に600台以上が配車されて本格稼働を開始しています。昨年ご紹介した、フランス・ストラスブールでの実証試験もお客様の手元にクルマをお届けし、本格稼働に入ってから半年以上が経過し、お客様のいろいろな感想、ご意見、データがそろそろ集まり始めているようです

もう一度、ストラスブールのプロジェクトのご紹介を

約80台のお客様としては、内30台がストラスブール市と都市圏、フランス政府の出先機関である環境・地域整備・住宅局(DREAL)やストラスブール大学などの公共機関とカーシェア公社、残りがEDFの関連会社ストラスブール電力(ES)を大口ユーザとして、郵便会社ラ・ポストや水資源大手のベオリアなどの民間会社です。

EU議会が置かれたストラスブールには、日本領事館も置かれており、その領事館にも使っていただいています。さらに、ストラスブールから115kmほど南、ミュルーズにある、往年の名車「ブガッティ」コレクションで有名な、フランス国立自動車博物館の連絡車としてお使いいただいています。

フランス国立自動車博物館

フランス国立自動車博物館

この博物館にはブガッティを筆頭に、欧州車を中心に1900年始めから現代のF1まで所狭しと凄まじい台数のクルマが展示されていますが、余談ですが、日本製のクルマは一台もありません。4年ほど前に、自動車の歴史に名を残す可能性があるとの判断?から、博物館のご厚意でハイブリッドプリウスの特別展を開催させてもらったことがあります。自動車発祥地欧州で、またクルマ文化の拠点である自動車博物館のスタッフから自動車の未来としてこのPHVにどのような評価をいただき、ご意見がいただけるのかいまから楽しみです。

プラグイン・プリウスの大規模実証試験のパートナーとしての参加にご応募いただいたお客様の80台のクルマに対し、1台あたり2から3人のモニタースタッフの自宅と役所やオフィスの駐車場に1カ所の低圧充電ポイントを設置、また数カ所の公共駐車場や道路脇の公共駐車スペースでのポール型充電ステーションを合計150カ所設置しています。この充電ステーションの場所と空き状況は、i-Phoneやi-Padから読み出すことができるようになっています。

iphone用ソフト

iphone用ソフト

当初の企画では、公共駐車場や道路サイドの充電スポットを数多く設置する案もありましたが、いろいろな議論を重ね、個人用の住宅とオフィス、役所などワークプレースでの充電ポイントを重視した設置としました。もちろん、急速充電ステーションの設置は行いませんでした。それでも、ストラスブール中心街の非常に便利な場所にある市の地下駐車場など中心街に何カ所かの公共充電ポイントが設置されています。

まだまだ初期段階の使用状況ですが、この充電スポットの企画どおり、約95%が自宅とワークプレースで充電されており、公共駐車場に設置した充電ポイントの利用は少なかったようです。また一回当たりの走行距離、一日あたりの走行距離、走行車速や加速度の分布、電力の使用量など、さまざまな興味深いデータが集まっているようです。

データや分析レポートが公表されしだい、お客様の声とともにお伝えしたいと思います。

ストラスブールは、スタイリッシュなトラム(市内連接電車)網を中心に、パークアンドライ、カーシェア、クルマの市街地への乗り入れ制限、レンタサイクル、自転車専用路の整備など、環境保全を軸とした新しいモビリティ社会構築をめざした取り組みを進めています。

ストラスブール中心部

ストラスブール中心部

近郊の都市圏を合わせて、人口45万の中規模都市、運河に囲まれたノートルダム大聖堂がある旧市街はユネスコの世界遺産として登録されており、観光名所としても有名です。環境都市、都市の再生、自動車との共存を図る新しいモビリティ社会構築として日本での地方都市再開発の参考になるのではと期待しています。